2人だけの秘密。


そう思いながらも、修史さんの隣に並んでその家に入る。

わりと大きい家で、広い。


あたしにはミキちゃんがいるから反対されないか不安でいたら、そんなあたしに気がついた修史さんが言った。



「…そんな心配しなくたって、大丈夫だよ」



そう言うと、不安をかき消すように優しく笑う。

その笑顔に安心していたら、修史さんがご両親を呼んだ。



……………



修史さんのご両親は凄くあたたかくて、あたしのことをにこやかに迎えてくれた。

あたしにはミキちゃんがいることを伝えると、「じゃあ次はその子も一緒に遊びにおいで」と言ってくれて、一先ず安心する。


……しかし。


しばらくはにこやかに話していたけれど、やがて修史さんのお母さんが不満そうにあたしに聞いてきた。



「…あの、ところで、一つだけ聞いてもいい?」

「は、はい」



…何を聞かれるんだろう。

そう思って身構えていたら、修史さんのお母さんが言葉を続けて言った。



「修史のどこにそんな惹かれたのかしら?」

「え、」


< 193 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop