2人だけの秘密。


どこに…?


その意外な問いかけにあたしがキョトン、としていると、修史さんのお母さんが言う。



「だってウチの子昔からバカ息子だし(特に中学~高校)、正直見た目しか取り柄のない子よ。

なのにあなたみたいなこんな可愛らしい方と結婚出来るだなんて…」


「…おいおい」



修史さんはお母さんの言葉に苦笑いを浮かべるけれど、あたしはそうは思ってない。


むしろ…



「いえ、とんでもないです!修史さんは、あたしには勿体ないくらいに優しくて良い方ですから!」

「!」

「あたし、修史さんが傍にいて下さるから幸せなんです!見た目以外に取り柄なんていっぱいありますよ、」



修史さんのことをそう思っているあたしは、素直にお母さんにそう言った。


だって、ほんとだもん。

いくら昔は不良だったからって、今幸せならそれでいいじゃない。


あたしがそう言うと、お母さんは少しびっくりしたような表情を浮かべたけど、やがて「ありがとう」って笑った。

その言葉に安心していたら、お母さんの隣に座っている修史さんのお父さんが言う。



「…修史、」

「うん?」

「あれだな。高校の時…




彼女をとっかえひっかえして家に連れ込んでいた、あの頃が懐かしいな?」





お父さんはそう言うと、悪気のない笑顔でニッコリ笑った。


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