2人だけの秘密。


修史さんはそう問いかけると、あたしの顔を覗き込む。

だけどあたしはその視線から顔を背けると、言った。



「怒ってない」

「!」

「…って、言ったら嘘になる」



あたしはそう言うと、チラリ、と修史さんに目を遣った。

するとその瞬間、修史さんは悪戯に笑ってあたしに言う。



「でもほら、高校の時ってそんなもんじゃん?若気の至りってヤツでさ」

「…」

「大丈夫。今は鏡子だけが好きだよ」



修史さんはそう言うと、今度は純粋にニッコリ笑った。


……ずるい。

本当は、修史さんはイケメンだから、昔から女の子達にモテていたのは、あたしだってなんとなく予想がついていた。

それなのに少し複雑なのは何でだろう。


独りそう思っていたら、修史さんが言った。



「……わかった、これなら機嫌直してくれる?」

「?」



修史さんはそう言うと、自身のポケットからあるものを取り出す。

何かと思って?でいたら、修史さんがそれを手に持った。



「!」



するとその瞬間、あたしはさっきまでのモヤモヤが一気に消えて、今度は嬉しさがこみ上げてくる。



だって、修史さんが手に持ったのは…、


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