2人だけの秘密。
「お帰りなさいっ」
修史さんの声を聞くと、あたしは真っ先に玄関に行って修史さんを出迎える。
思わず満面の笑顔で出迎えたら、修史さんは少し疲れたような顔をしていたけど、あたしと目が合うとそれは優しい笑顔に変わった。
「…ミキちゃん、もう寝た?」
「うん、さっき絵本読んだから今はぐっすり寝てるよ」
「そっか、」
そして修史さんの問いかけにあたしがそう答えると、
修史さんは靴を脱ぐなり正面からあたしを抱きしめてくる。
修史さんにはもう何回も抱きしめられてるけど、何回抱きしめられても毎回ドキドキしちゃうのは慣れなくて。
その広い背中に腕を回すことすらドキドキして、心臓がもうヤバイ。
「…鏡子抱きしめてるとすげー落ち着く、」
するとふいに修史さんがそう言うから、あたしは嬉しくなって修史さんに言った。
「……修史さん、修史さん」
「うん?」