2人だけの秘密。


キスまであとほんの数センチ…のところで、

ふいにすぐ傍からミキちゃんの声がそれを引き留めた。


あたしと修史さんはミキちゃんの声にびっくりすると、慌ててお互いの体を離す。



「み、ミキちゃん……寝てたんじゃないの?」



修史さんがミキちゃんに目を遣ってそう問いかけると、ミキちゃんがあたしの傍にトコトコとやって来て…言った。



「…ママは、ミキのなのっ!」



口を尖らせてそう言って、あたしの右足に小さな両腕を回す。



「パパは触んないでっ」



そしてそう言い放つと、あたしを見上げて甘えだした。


……可愛い。


修史さんは少し複雑そうだけど、だからといってミキちゃんがまだ修史さんに慣れていないわけじゃない。

むしろもうすっかり慣れきっているし、修史さんの仕事がお休みの日は二人で仲良く遊んでいる姿をよく見る。


だけど……子どもって結局は“ママ”で。

何故かミキちゃんは、あたしと修史さんが引っつくのを物凄く嫌がるんだ。

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