2人だけの秘密。
だけどあたしはミキちゃんと視線を合わせるようにしゃがむと、言った。
「ミキちゃん、気持ちは嬉しいけどもう夜遅いんだから寝てなきゃ」
「だってママがっ…」
「ママは大丈夫だよ。ほら、また絵本読んであげるからお部屋行こ?」
あたしはそう言うと、ミキちゃんの手を引いてまた寝室へと戻る。
修史さんには先にお風呂に入って貰って、「ごめんね」って手を合わせて静かに謝ると、「いいよ」って首を横に振ってくれた。
…またキスはお預けか…。
でもこうやって毎回嫌がって邪魔をしにくるミキちゃんも、もちろん可愛いから仕方ない。
…………
…………
「…ぐっすり寝てるのにね」
その後、修史さんがお風呂から上がって、寝室の入口からミキちゃんを見ながらそう言った。
リビングと寝室はドア一枚で繋がっていて、あたしはテーブルの上に修史さんのぶんのゴハンを並べながら答える。
「うん。それなのにちょうどいいタイミングでいつも起きちゃうんだから、」
…もっと修史さんとイチャイチャしたいのに、それが全く出来ない。
今は、一日に一回だけでもキスが出来ればいい方だ。