2人だけの秘密。

修史さんはそう言うと、優しい顔のままミキちゃんに目を遣る。

すると、その言葉を聞いたミキちゃんは顔を上げて…



「ミキもママが大好きだもん」



涙声で、そう言った。

ミキちゃんがそう言うのを聞くと、修史さんがミキちゃんの頭を撫でながら言う。



「そうだね。

でも、パパの“好き”とミキちゃんの“好き”は違うんだよ」


「?」


「…難しいかな。

あのね、パパとママとミキちゃんはもう立派な家族だから、パパとママが仲良くなきゃミキちゃんは毎日楽しく遊べないし、

幼稚園にも行けなくなるし、

ミキちゃんにおもちゃも買ってあげられない上に遊びにも連れて行ってあげられなくなるんだよ」


「!」


「…ミキちゃんは、そんなの嫌でしょ?」



修史さんがミキちゃんにそう問いかけると、ミキちゃんがその言葉を聞いてすぐに頷く。



「いや!パパ、ミキおもちゃいっぱい欲しいし遊びに行きたい!」



そう言って、今度は普段ミキちゃんにおもちゃをよく買ってあげている修史さんにしがみついた。

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