2人だけの秘密。
修史さんはそう言って時計に目を遣ると、玄関に向かう。
リビングで朝ごはんを食べているミキちゃんはそのままで、
あたしは修史さんを見送りに玄関まで付き添った。
「行ってらっしゃい、」
そう言って手を振ろうとすると、その時修史さんがそんなあたしの手をパシッと掴む。
「?」
どうしたのかと思ったらふいに顔が近づいてきて…キスをされた。
「!」
「…行ってきますのチュー」
「~っ、」
その不意打ちに、多少は慣れているつもりでいたはずが、思わず顔を赤くしてしまう。
…だから、やられっぱなしじゃ少し悔しくて。
「…!」
今度はあたしから修史さんに、キスをした。
「…行ってらっしゃいのチュー」
……けど。
気のせいだろうか。
急に横から、すんごい視線を感じる。