2人だけの秘密。
******
(修史 side)
そして、同窓会当日。
夕方にやっとマンションを出ようとしていたら、ふいに鏡子がやって来て言った。
「…ねぇ修史さん」
「うん?」
「同窓会に、ミキちゃんも連れて行けない?」
「…え」
鏡子は俺にそう言うと、傍にいるミキちゃんの両肩に手を遣る。
一方のミキちゃんは完全に?になっていて、俺が今から何処に行くのかわからないでいる様子だったけど、
そんな鏡子の突然の言葉に俺は鏡子から視線を外して言った。
「…何で急にまた」
…まぁ、別に居酒屋に行くわけじゃないし、ホテルのレストランに行くから連れては行けるけど。
俺がそう言うと、鏡子が言った。
「ミキちゃんが居れば、いろいろと安心だし?」
「?」
「それにミキちゃんだって会場じゃ良い子にしてるはずだから、一緒に連れて行ってあげてよ」
鏡子はそう言うと、「ね?お願い」って上目遣いで俺を見る。
……そんなふうに言われたら、断れるはずなんてなくて。