2人だけの秘密。


でも修史さんは、そんなあたしをわかってくれていて。



「わーかってるよ、鏡子チャン。

ほんとはクチがいいんだろ?続きはまた後でな、」



そう言って、ネクタイを緩めながら悪戯に笑った。


もう…いじわる、

そういうとこ全然変わんない。


でも、そんな修史さんにキュンってなっちゃう自分がもっと悔しい。


だから…



「…じゃあ、待ってるね」

「え、」

「今の続き、ベッドの上で待ってる」



負けたままじゃ悔しくて、あたしは顔を真っ赤にしながらそう言った。

言ってる自分が一番恥ずかしいけれど、あたしがそう言うと、修史さんが途端にフッと笑ってあたしに近づいてくる。



「…??」



そんな修史さんに、あたしがドキドキしながら思わず固まっていたら…



「…!」



ふいに修史さんの手のひらが、ぽんって優しくあたしの頭の上に乗っかった。

その手にあたしが目を瞑ると、修史さんがそれをぐしゃぐしゃと撫でて…



「生意気、」



って、凄く…凄く優しい顔をして笑う。


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