2人だけの秘密。

…思えば、修史さんと結婚してからが幸せすぎたのかもしれない。

だって君が隣にいるだけで、あたしは強くなれていたから。


でも…






「…んじゃ、俺風呂入ってくるね」

「うん、」



あたしは次の瞬間…“気がついてはいけないもの”に、気が付いてしまった。


修史さんがお風呂場に向かった時、スーツのポケットから…



「あ、修史さん何か落ち…」

「え?」

「…!」



一枚のメモが、ひらりと床に落ちた。



「なに?」



修史さんはそう言って首を傾げるけど…あたしは、



「ッ、ううん、何もない…ごめん、」

「そう?」



咄嗟に、そう言って誤魔化した。


だってそのメモには…




知らない女の人の名前と、携帯番号が書かれてあったから。


しかも、それだけじゃなくて…


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