2人だけの秘密。
“空いてる夜があれば連絡ください。待ってます。
080-6260-####
愛佳”
凄く綺麗で丁寧に書かれた、修史さんへのメッセージまで添えてある。
「…あいか…?」
その名前に、あたしは独り首を傾げる。
修史さん…愛佳って誰?
そもそも、このメモには気付いてるのかな?
あたしがそう思っていると…
「…う~…ママぁ、」
「!!」
いつまでも抱っこをしたままでいたミキちゃんが、突如腕の中で目を覚ましてしまった。
…うわ、まずい。
でも、起きた隙に眠そうな目をしたミキちゃんを、寝る準備をさせるべくそのまま寝室に向かう。
メモは服のポケットに仕舞いこむと、それ以上深くは考えないことにした。
…きっと、友達だ。
友達と久しぶりに逢って、「またみんなで逢おうね」って、きっとそれだけだ。
ほんと、それだけの話。
あたしは自分にそう言い聞かせると、ミキちゃんをパジャマに着替えさせながら必死に平然を保った。
…そう、大丈夫。
大丈夫……そのはず、だったの…。