2人だけの秘密。


しかし──…



それから少し時間が経って、あたしが寝室に入ると…



「…何してるの?」

「!?」



寝室の隅の方で、何かを探している修史さんの姿が…。

あたしが声をかけると、同窓会に着て行ったスーツのポケットを何やらあさっていた修史さんは、



「え、いや何も…!」

「…?」



すぐにそこから離れて、ベッドに横になった。


…でもその瞬間に、気が付く。

さっき見つけた、“メモ”の存在に。


もしかして修史さん、あのメモを探しているのかも…。


あたしはそう思うと、そのメモを取り出そうかと思ったけど…



「…、」



…やっぱ、やめた。

全然気が進まない。


なるべくなら逢ってほしくないから、何も気づかないフリをしてあたしもベッドに横になった。

そしてふいに修史さんに目を遣ってみるけど、修史さんは携帯と睨めっこ中で…



…続きも、何もないじゃん。



そう思うと、ため息交じりに目を瞑った。


それにしても…“愛佳”って誰だろう。

元カノとかじゃなければ、いいな。


< 228 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop