2人だけの秘密。
そう言って、「晩ゴハンいらない」と言葉を付け足す。
でも…
その瞬間あたしの脳裏には、この前修史さんが落としたメモのことが過った。
“空いてる夜があれば連絡ください”
「…っ、」
それを思い出すと、あたしは思わず顔をうつ向かせる。
…もしかして、とは不安に思っていた。
だって今日は修史さん、久しぶりのお休みだし。
正直、修史さんがあのメモに書いてあったことを受けるつもりなら、それは今日しかない。
だけど…
「…鏡子?」
…いや。やっぱり、どうしても嫌だ。
行かせたくない、
あたしは強くそう思うと、目の前にいる修史さんを引き留めるように腕を掴んで言った。
「…やだ」