2人だけの秘密。
その手からは確かに愛を感じるのに、でもどうしても修史さんは行ってしまうの?
あたしはそんな修史さんの優しさに目を瞑ると、やがてまたそれを開けて修史さんに言った。
「…だって、不安…なんだもん」
「不安?」
「ね、修史さん…これ何?」
あたしはそう問いかけると、修史さんから体を少し離して、服のポケットからこの前のメモを取り出す。
不安いっぱいでそれを修史さんに見せると、案の定修史さんの表情は一瞬にして固まってしまって…。
落ち着いた口調で、あたしに問いかけた。
「!!…ど、どこで見つけたの…それ、」
そう言って、そのメモをあたしから取ろうとするけれど…
「修史さんが落としたのを、たまたまあたしが拾ったの」
「!」
あたしはそんな修史さんの手から素早くメモを遠ざけると、目を細めて修史さんを見つめた。
「愛佳って誰?」
そしてそう問いかけて、修史さんの返事を待つ。
でも、不安ではあったけど、それでもあたしは心のどこかで修史さんを信じたい気持ちはあった。
浮気をしている、とか…昔好きだった人、とか…決してそんなんじゃないって。
だけど…あたしが修史さんの言葉を待っていると、やがて観念したように修史さんが言った。
「…元彼女だよ」