2人だけの秘密。


突然出てきた別の名前にあたしが首を傾げると、修史さんが言った。



「カズキってのは、学生の時の俺の友達。

だから、仕方なくアドレス交換してまた会う日を決めようってなったんだよ。

ちなみに今夜は俺、別に愛佳と二人きりで会うわけじゃないし、カズキもいるから」



修史さんはそう言うと、



「理解?」



って、あたしの顔を覗き込む。

その話を、黙って聴いていたあたしは…



「…なんだ、じゃあ…本当に浮気なんかじゃないんだ、」



そう言って、思わず床に座り込んだ。



「だから、さっきからそう言ってんじゃん」



すると、安心するあたしに、修史さんがそう言ってあたしのおでこに軽くデコピンをする。

その小さな刺激に、あたしが「いたっ」とおでこに手をあてると…



「!」



次の瞬間、修史さんがあたしを優しく抱きしめてきて、言った。



「安心しろ。俺が大切に思ってんのは、鏡子だけだから」

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