2人だけの秘密。
その言葉に、もうこれ以上何も言えなくなる。
あたしが黙っていたら、広喜くんは、
「…じゃあ、また今度な」
そう言って、一方的に電話を切った。
その直後は電話の向こうから機械音が聞こえてきて、あたしも静かに電話を切る。
広喜くんとはもう、別れた方がいいのかもしれない。
自分でもなんとなくそう思う。
だけど…
それでも広喜くんのことが大好きで、
ずっと一緒にいたいと思ってしまう自分がいる。
広喜くんがあたしのことを好きじゃなくてもいい。
それでもこの繋がりを無くしたくない。
あたしはそう思うと、辛くて独り涙を流した。
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翌日。
いつも通り仕事に行くと、あたしは更衣室に入って制服に着替えた。
ちなみに今日は早番で、閉店前には帰れる。
制服に着替えたあとは掃除をしに売り場に行くと、その入口で柳瀬店長とバッタリ出会してしまった。
「!!」