2人だけの秘密。
君に近づく、
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それから数日後。
いつもの仕事中、事務室で書き物をしていたらそこへ夏木さんがやってきた。
「五十嵐ちゃん、ちょっといい?」
「はい?」
その声にあたしが顔を上げると、 夏木さんが何やら紙とペンを持ってあたしに問いかけてくる。
「明日、柳瀬店長の歓迎会するんだけど、出れる?」
「!」
「っていうか、出れるよね?いや 、出なさいよ」
「い、いやいや!何かだんだん強制になってません!?」
あたしは夏木さんのその言葉にそう突っ込むけど、でも明日は何の予定もない。
「じゃあ…出ます」
出なきゃ、失礼になっちゃうし。
あたしがそう思いながらそう言うと、夏木さんはニッコリ笑って紙に何かを書いた。
「…ん、じゃあそこの居酒屋でね ~」
「はい、」
……歓迎会、か…。
なんかちょっとまだ気まずい、なぁ…。