2人だけの秘密。



…いやいやいや。

そのままの意味って。

え、なに?


店長変わっちゃうの!?



「来週って、急な話だね!」

「でしょ?良い人ならいいけど、やたら厳しい人だったら嫌だなー。
あ、それだったら鏡子毎日怒られちゃうかもね」



絵里奈はそう言うと、あたしに向かって悪戯な笑みを浮かべる。

だけど、ここで否定は出来ない。

だってあたしは、この店の従業員5人のなかで一番使いものにならないし、仕事での失敗が多いから。

それに今の店長にすらあたしは毎日のように怒られているのに…それ以上怖い人が来たら困る。

あたしクビになっちゃうかもしんない。


だけど、そう思って落ち込んでいたらその会話を聞いていた夏木さんが言った。



「でも、新しい店長って若い男なんだって!しかも超イケメンらしいよ!
厳しいとかどうでもいいからね!」



夏木さんはそう言うと、「早く来週にならないかな~」って独り言のように呟く。

でも、それを聞いて絵里奈が舌打ちをした。



「…若い男とか、立ち入り禁止にしたいんだけど」



いや、それは無理な話だろ、絵里奈サン。



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