サクラ*ランデブー 【短編】
自分の荷物を手に取り、立ち上がる。
「よし、帰ろっか」
「おう!」
二人で学校をでる。
「にしてもさーっ」
華奈が欠伸をしながら言う
「なに?」
「いや、アユミはいつになったら鎌野先輩に告白するのかな~って思ってさ」
「…なっ‼」
確かに華奈には悩みを相談していた。
だか、先輩の名前は出していなかったのに…。
「いつから気づいてたの?」
「ん?あぁ、一番最初に相談されたときからね~」
うわぁ…そんな時から
恥ずかしくなって頭を手で覆う。
本当、恥ずかし///
「あはは!気づいてないと思ってたんだね~」
今は何だか華奈の間延びした語尾が恨めしい。
「でさ、アユミ」
「 …… 」
「鎌野先輩は明日にはもう卒業だよ?」
「うん」
分かってる。
「先輩、東京の方の大学行ったゃうよ?」
分かってるよ。
「明日、告白しなよね」
分かってるけど、出来ないんだ。
私が告白しない理由を知っているからこそ、真剣に私を思ってそう言ってくれてる華奈の気持ちも分かるんだ。
だけど…
「うん、分かった…明日、頑張るね」
私がそう言ってコクリと頷くと華奈は優しく微笑ってくれた。