【完】狂犬チワワ的彼氏
…………
「ん~、拓海くん、もっと…」
「起きろコラ」
「!!」
拓海くんとの甘い時間を過ごしていたら、その時ふいに聞きなれた違う声と同時に軽い痛みが頭に降ってきた。
ん~…何?
その小さな衝撃にあたしが重たい瞼をあけると、そこにはもうすっかり見慣れた可愛い部屋がそこに広がっていて。
……あれ?
何これ。
そう思ってなんとなく横に目を遣ると、そこには眉間にシワを寄せてあたしを見つめているお兄ちゃんの顔が…。
「!!げっ」
そんなお兄ちゃんに、あたしが慌てて飛び起きると、お兄ちゃんが言った。
「やーっと起きた。
もう8時だぞー」
「!」
お兄ちゃんはそう言うと、スタスタと部屋を後にする。
は?…何。もしかして、今の夢なの!?
あたしはそれに気がつくと思わず大きなショックを受けたけれど、さっきのお兄ちゃんの言葉を思い出して慌てて服に着替えだした。
実は…夏休みが後半に差し掛かった今日。
あたしは、拓海くんを含むお友だち達と、二泊泊まりで遊びに行くのです。