【完】狂犬チワワ的彼氏
芽衣はそう問いかけると、目の前のあたしを真剣な表情で見つめる。
…親友として、って…
「…ど、どうしたの?ってか、何?イキナリ」
急に芽衣が変なことを聞くから、あたしは思わずそう言ってちょっと笑って見せる。
あたしのことは、今はどうでもいいのに。
だけど…
「いいから答えて。どう思ってる?」
「…、」
芽衣は相変わらず真剣な表情のまま、もう一度あたしにそう問いかけた。
…どうしたんだろう?
突然の芽衣からの質問に、あたしは独り首を傾げるけど…やがて、落ち着いた口調で芽衣に言った。
「…好きだよ」
「!」
「親友としては、凄く良い親友だと思ってる」
あたしはそう言うと、「…本人には恥ずかしくて言えないけどね」って、言葉を付け加える。
でも、直樹には何だかんだで本当に感謝してるんだ。
あたしはたいして何もしてあげられてないけれど、直樹はそれでもあたしの話をよく聴いて相談に乗ってくれるから。
しかしあたしがそう思っていると、芽衣が口を開いてまた問いかけてきた。
「じゃあ、恋愛対象として、は…?」