【完】狂犬チワワ的彼氏
「…は、」
龍也が突然そんな言葉を発した瞬間――…
俺はびっくりして、ゲームのコントローラーを床に落とした。
そして、ゆっくりそいつの方を振り向くと、龍也が真剣な表情で俺に言う。
「嫌、ですか?でも欲しいんです、どうしても。妃由さんが。
妃由さんは、俺のことを好きだと言って下さいました。俺も、
妃由さんが好きです」
そう言って、一歩…二歩、俺に近づいてくる。
一方突然そんなことを言われた俺は、びっくりして固まって。
一瞬冗談で言っているのかと思ったけれど…そもそもコイツは冗談を言うタイプじゃない。
俺はわかりやすく動揺してしまったけれど、やがて座っていたソファーから立ち上がって言った。
「フザけんな、」
「…」
「妃由が欲しい?そんなこと言われても、簡単にやるわけないだろ。
お前は黙って、
智輝の“お下がり”でも貰っとけよ」