【完】狂犬チワワ的彼氏
「そーじゃなくて、」
「!」
ふいにその手を遮られて、言われた。
「ゲームは自分でなんとかするよ」
そう言って、直樹がゲーム機をあたしから遠ざける。
…なんだぁ。つまんない。
「じゃー何がいいの?」
そんな直樹にあたしがそう問いかけたら、直樹は少し考えた後…言った。
「…明日二人で映画行くぞ」
「……へ、」
それだけを告げて、真剣な表情であたしを見つめる。
けど、突然のそんな直樹らしくない誘いに、あたしは驚きを隠せなくて。
えいが?
って、あの映画だよね?
何でまた急に…。
「観たい映画でもあるの?」
何かそんな直樹の誘いが意味深な気がしてあたしがそう聞くと、直樹があっけらかんとした顔で言った。
「あるから行くんだろ」