【完】狂犬チワワ的彼氏
龍也 side
屋上を後にして階段を下りると、俺は真っ直ぐに教室に戻った。
…俺はきっと、しばらくはこの学校に通うことになるんだろうな。
そう思いながら誰もいない廊下を歩いていると、その時ちょうど前から日向がこっちに向かって歩いてくるのが見えた。
…そういえば日向さん、屋上で弁当食う約束、忘れてんのかな。
俺はそう思うと、日向さんが近づいてきた時に声をかけた。
「…あ、日向さん」
「……」
「さっき、どこ行ってたの。俺と妃由でずっと待っ、」
待ってたのに。
しかしそう言おうとしたらその瞬間、その言葉を日向さんに遮られて、言われた。
「だってあなた、拓海くんじゃないじゃない」
「!!」
「拓海くんがいなきゃ、意味がないのに」
そしてそう言うと、日向さんは俺の横を通りすぎてその場を後にした…。