【完】狂犬チワワ的彼氏
「!」
いきなりそんなことを言い出すもんだから、言われたあたしは思わず目をぱちくりさせて、その後…
「っ、嫌いになんかなるわけないじゃん!」
「…なんだぁ、つまんねぇ」
はっきりと、そう言う。
「大丈夫!あたしは、何があっても拓海くんのことが大好きだから、」
そしてそう言葉を続けるも、また直樹が言った。
「じゃあ仲直りして来いよ」
「それは無理っす」
「…」
だけどあたしがそう言って気晴らしに本を開くと、直樹は「相変わらず頑固だな」って呟いた。
…だって、仕方ないじゃない。
あんなにはっきりばっさり怒っておいて、あたしは悪くないのに(たぶん)今更「やっぱりごめんね」なんて、情けないにもほどがある。
拓海くんが謝ってくれたら、喜んで仲直りするけど…。
今は、どうしたって自分からは行けないよ…。
…………
その後、午後の授業が全て終わると、あたしは直樹と一緒に家に帰った。
生徒玄関でなんとなくキョロキョロしていたら、「すげー気になってんじゃん」なんて直樹に言われたりして…
だけど、それでも頑なに否定して学校を出ると、あたしは直樹と並んでマンションへと向かう。
でも…