【完】狂犬チワワ的彼氏
その龍也くんの有難い言葉に、あたしはすぐに頷いて家の中にお邪魔する。
さすがに、男の子三人だけで暮らしている家みたいだから玄関からちょっと散らかってるな。
そんなことを思いながら遠慮なく靴を脱ぐと、それを揃えて龍也くんと一緒にリビングに入った。
相変わらず広いリビング。
龍也くんはゲームをしていたのだろうか。テレビゲームがつけっぱなしになっている。
あたしはそれに気がつくと、言った。
「え、龍也くんゲームとかするの!?」
「もちろんです。俺だってゲームくらいしますよ」
「へぇ意外。ってかさ、これこの前発売したばっかの××スポーツだよね!」
あたし気になってたんだぁ、と。
拓海くんに連絡を入れるのを忘れ、あたしはテレビゲームにつられてしまう。
なんてったってあたしは、自他共に認めるゲーマーだからね。
それにこのゲームだって、あたしはまだ手にいれていない。
羨ましくて思わずゲームソフトのケースを見ていたら、それに気がついた龍也くんが言った。
「…一緒にやりますか?」
「え、いいの!?」
「はい。どうせ拓海さんが戻ってくるまで暇でしょう?」
そう言って、「やるからには負けませんよ」と予備のコントローラーをあたしに手渡す。
だけど一方そう言われたあたしは、まだやり方とかはもちろん全然わからなくて。
「まずは練習がしたい」と言うと、龍也くんは快く許してくれた。
これが拓海くんだったら、果たして許してくれていただろうか…謎。
だけど、やったことのないゲームとはいえ、これはリアルに近い感覚でスポーツをするゲームだし。
そんなに難しくはない…はず。
全部で10種類あるスポーツの中から、あたしはテニスを選んだ。
しかし…