【完】狂犬チワワ的彼氏
…は?
木塚くんは初めて話すあたしにバッサリそう言って、深くため息を吐いた。
…え?ちょっと…は?いや…はぁ!?
何それ!!
当時のあたし中の木塚くんといったら、
可愛くて優しくてオシャレで何でも出来て…
そんなパーフェクトなイメージしかなかったのに。
自分で言うのも何だけど、か弱い女の子が勇気を振り絞ってこんなに頑張って告白してんのに、
何てことを言い出すんだこの人は!!
そう思っていたら、木塚くんが言った。
「…お前みたいなキモ女、マジ勘弁!っつか俺女嫌い!じゃーな」
「!」
そして容赦なくそう言うと、彼はあたしに冷たく背を向けて離れて行く。
「ちょっ、ちょっと待っ…!」
あぁ…あたしって可哀想。
今一番可哀想なトコ。
好きな男の子にキモイとか言われるなんて。
そんな彼を一応引き留めようとしたけれど、結局木塚くんは一度も振り向くことはなかった…。