【完】狂犬チワワ的彼氏
木塚くんが、瞬時にあたしの言葉を遮ってそう言った。
いや、でも…
「最後まで話聞いてよ。
さっきの、リュウヤとトモキって…」
「だから、お前は何も聞くな!!」
「!」
それでもあたしが気になってそれを聞こうとすると、それを許さない木塚くんがまた声を荒げる。
…そんな怒んなくたっていいじゃん。
目の前の木塚くんにあたしがそう思って口を膨らませていると、
やがて木塚くんが気まずそうにあたしから視線を外して言った。
「……そいつら、は…俺の友達だから。お前には関係ない」
「…じゃあ、あの美容院にいた綺麗なお姉さんは?」
「アイツはただの従姉妹だよ。っつか、そういう話はもういいだろ」
一応今は、デート中なんだし。
木塚くんはそう言うと、あたしに冷たく背中を向けて先を急ぐ。
…聞かれたくないのかな。どうして?
あたしは、木塚くんのことをもっと知りたいのに。
だけどあたしはそんな思いを仕方なく心の奥にし舞い込むと、木塚くんに問いかけた。
「ってか…今から何処行くの?」