【完】狂犬チワワ的彼氏
もしや木塚くんって…××?
ある日の午後。
ゲーム機の3○Sを開きながら、直樹が言った。
「妃由、木塚とは上手くいってる?」
「え、」
直樹はそう問いかけると、手元のそれの電源を入れてあたしの顔をチラリと見上げる。
あたしは今日、いつものように直樹の家に遊びに来ていた。
最初は「宿題する?」なんて言っていたのに、全然それに手をつけずに、今は結局いつもみたいにゲームを始めようとしている。
あたしはその問いに、直樹と同じくゲーム機の電源を入れながら…
「もちろん!超~上手くいってる!!」
って、笑顔でそんな嘘を吐きかけたけど…
「…いやごめん嘘。全然うまくいってない」
そう言って、盛大なため息を吐いた。
「上手くいってねぇのかよ」
するとあたしの返事に、笑っている場合じゃないのに直樹がおかしそうに笑う。
も~う、この男は…。
こっちは真剣に悩んでて不安なのに!
「笑いごとじゃないの!ほんっとに上手くいってないし不安なの!
木塚くんってほんとにあたしのこと好きなのかなって!!」
そしてあたしはそんな直樹に、ついムキになってそう言う。
だって仕方ないじゃん!付き合えることになったはいいけど、全っ然愛されてる感じしないんだもん!
どーせわからないだろうなぁ、このメガネバカには!
しかしあたしがそう思って口を膨らませていると、直樹が言った。
「じゃー別れちゃえよ」