【完】狂犬チワワ的彼氏
そして智輝にそう言われた龍也は、それを快く了承した。
『わかりました』
『よっし!じゃあよろしくな!』
『…』
龍也は俺達三つ子の中でも一番よくわからない不思議な奴で、
普段から俺たちとですら敬語を遣って会話をしている。
だけど成績優秀で、テストの結果は常にトップ。
人からの頼まれ事は、基本断ったりしない性格だ。
そして翌日は龍也が俺の学校に行くことになり、俺達は妃由と付き合うことになった。
『…ふざけんなよ』
そのことに俺がそう言うと、龍也が言った。
『ですが、牧野さんは良い方でした。
悪い人では無いかと』
『いや、そういう問題じゃなくて、』
『…あまり、彼女に冷たくしないであげて下さい。
それと言葉遣いにも注意して下さいね。でないと俺達が、貴方に合わせなければいけませんから』
龍也はそう言うと、いつも通り参考書を開いて俺の部屋を出ていく。
…知るかよ。
彼女なんて要らない。
そんなの居たってめんどくさいだけ。
だから…
いっそのこと、俺からもうバラしてしまおうか。
そう思ったけど、出来なかった。
だって妃由は…