【完】狂犬チワワ的彼氏
俺がそう言うと、龍也は少し目を見開く。
…確かに、一番最初は全然好きじゃなかったけど。
何でだろ。
ここ数日、アイツが頭から離れなくて仕方ないんだ。
すると、俺の言葉を聞いた龍也が呟くように言った。
「…冗談でしょう、」
そう言って、疑うように目を細めて俺を見る。
「貴方が女を好きになるなんてあり得ないじゃないですか」
「…」
…まぁ、そうかもしれないけど。
龍也の言葉にそう思いながら俺がうつ向きかけると、それを遮るように龍也が言った。
「…では、ライバルなんですね、俺達」
「!!…は、」
「俺、貴方には負けませんから」
龍也はそう言うと、俺から視線を外してすぐに自分の部屋に入って行った。
「……」
……アイツと、ライバル?
嘘だろ…。