【完】狂犬チワワ的彼氏


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龍也 side

妃由さんがいる喫茶店を離れると、その後俺は真っ直ぐ家に帰った。



「智輝さん、」



俺が玄関を抜けてリビングに入ると、そこには智輝さんが俺を待っている姿があって。

俺はそんな智輝さんに気がつくと、自分の携帯を見せながら言った。



「言われた通り、行ってきましたよ。妃由さんのところに」

「おー!サンキュー」



俺の言葉に智輝さんはそう言うと、俺からその携帯を奪う。

実は今日は、智輝さんに言われて俺は妃由さんの後をつけていたのだ。

妃由さんがどんな方なのかを、もっとよく知りたいから。

俺が突っ立ったままでいたら、智輝さんが「座れよ」って言うから俺は智輝さんが座るダイニングの向かいに座った。



「何か良い情報入った?」

「はい。とびきり良い情報が」

「え、何!?」



その智輝さんの反応に、俺は智輝さんから携帯を返して貰ってそれを弄る。

そして、さっきの喫茶店で妃由さん達の会話を携帯で録音していた俺は…



“木塚くんって、双子だと思うの!”



その会話を、再生した。


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