【完】狂犬チワワ的彼氏
ヤキモチってヤツ?
妃由 side
ある日の夜。
あたしは、夢を見た。
夜の二人きりの海で、拓海くんと手を繋いで歩く夢。
夢の中での彼は現実とは違って、物凄く優しい。
しばらく二人で仲良く歩いていると、拓海くんが言った。
「妃由、」
「うん?」
「キス、してもいい?」
「!」
拓海くんはあたしにそう問いかけると、少し距離を縮めてくる。
そして、いきなりそう聞かれたあたしはというと…
顔を真っ赤にして、言った。
「たっ拓海くんが、したいならっ…」
だけど、表はそう言うけど、あたしの心は凄くドキドキしていて、どうしていいかわからない。
でもあたしが目を瞑ると、拓海くんの顔が少しずつ近づいてきて…
キスをした。