偽の愛などいらない
外に出てからも夢乃は駄々をこね続けてる。
「夢乃ちゃん、こんな所にいたの?」
「おばあちゃん、夢乃連れていってくれる?」
「ごめんなさいね、目を離したうちに逃げちゃって。」
そう言って、泣いてる夢乃を抱き上げて歩いていった。
「先輩、このお見合いは....」
「俺は、結婚してもいいよ。」
「え?」
何を言ってるの?
「1つ聞きたい事があるんだ。」
「はい....」
「夢乃ちゃんは....俺の子か?」
「........違います。」
「でも、4歳ってことは丁度俺が留学した年だよな?」
「....別れてすぐ....レイプされたんです。その時の子供です。」
「............そうか。」
間をあけて先輩はそう言った。
それにしても頭がフラフラする....
多分来るな。
そう思った瞬間に目の前が真っ白になった。
貧血だ。
倒れそうになったけど、先輩が支えてくれた。