domino
「吉原先輩・・・。」
席に着いたばかりの吉原先輩に声をかけた。吉原先輩は僕の疲れ切った顔を見て驚いていた。
「どうしたんだ。その顔?」
「いや、色々ありまして。それより昨日の事なんですが・・・。」
僕の言葉を遮って吉原先輩が話し始めた。
「あ、昨日のデートの事か。いや~、お前のおかげでうまくいったよ。」
聞いてもいないのに、次々と昨日のデートの報告が始まった。どこに行った、何を食べた、そんな事は今の僕にとってはどうでも良い事だった。でも、なかなか先輩の言葉を遮る事が出来なかった。
ようやく先輩が一息をついたところで僕が話し始める事ができた。
「先輩のデートの事はわかりました。でも、僕が話したい事は昨日のトランスライダーでの事なんです。」
トランスライダーと聞いて先輩の顔が急に曇ったのがわかった。
「やっぱり、昨日、俺が行かなかった事で文句言われたか?」
「まぁ、それもありましたけど、それよりもこれ見てください。」
そう言って昨日受け取ったDVDを渡した。
「何だ、これ?」
不思議そうな顔に先輩の顔が変わった。
「とにかく、中を見てください。たぶん、資料の映像だと思います。」
先輩はパソコンにDVDを挿入した。DVDを読み取る音が聞こえるがなかなかDVDが始まらなかった。少し先輩はイライラしだした。
「ったく。遅いパソコンだな。」
先輩が軽く舌打ちした時に映像が始まった。DVDの中身は車のレースだった。
「大河内。これが渡されたDVDなのか?」
「はい。」
淡々と返事をした後にこう付け加えた。
「簡単に言うと、今ここに映っているレースに出場したいらしいんですよ。それでうちの会社にスポンサーになれと言われたんです。」
先輩は頭を掻きながら考え込んでいた。
「そんな事言われても、うちにメリットないじゃん。」
「今回はメリット関係ないんですよ。これを受ければ和田さんのこの間のミスを帳消しにしてくれるって言うんですよ。逆に断れば・・・。」
僕はそれ以上話すのをためらった。
「取引は無くなるって事ね?」
先輩が僕の言おうとした事を代弁してくれた。それ以上、二人の会話が続く事がなかった。
席に着いたばかりの吉原先輩に声をかけた。吉原先輩は僕の疲れ切った顔を見て驚いていた。
「どうしたんだ。その顔?」
「いや、色々ありまして。それより昨日の事なんですが・・・。」
僕の言葉を遮って吉原先輩が話し始めた。
「あ、昨日のデートの事か。いや~、お前のおかげでうまくいったよ。」
聞いてもいないのに、次々と昨日のデートの報告が始まった。どこに行った、何を食べた、そんな事は今の僕にとってはどうでも良い事だった。でも、なかなか先輩の言葉を遮る事が出来なかった。
ようやく先輩が一息をついたところで僕が話し始める事ができた。
「先輩のデートの事はわかりました。でも、僕が話したい事は昨日のトランスライダーでの事なんです。」
トランスライダーと聞いて先輩の顔が急に曇ったのがわかった。
「やっぱり、昨日、俺が行かなかった事で文句言われたか?」
「まぁ、それもありましたけど、それよりもこれ見てください。」
そう言って昨日受け取ったDVDを渡した。
「何だ、これ?」
不思議そうな顔に先輩の顔が変わった。
「とにかく、中を見てください。たぶん、資料の映像だと思います。」
先輩はパソコンにDVDを挿入した。DVDを読み取る音が聞こえるがなかなかDVDが始まらなかった。少し先輩はイライラしだした。
「ったく。遅いパソコンだな。」
先輩が軽く舌打ちした時に映像が始まった。DVDの中身は車のレースだった。
「大河内。これが渡されたDVDなのか?」
「はい。」
淡々と返事をした後にこう付け加えた。
「簡単に言うと、今ここに映っているレースに出場したいらしいんですよ。それでうちの会社にスポンサーになれと言われたんです。」
先輩は頭を掻きながら考え込んでいた。
「そんな事言われても、うちにメリットないじゃん。」
「今回はメリット関係ないんですよ。これを受ければ和田さんのこの間のミスを帳消しにしてくれるって言うんですよ。逆に断れば・・・。」
僕はそれ以上話すのをためらった。
「取引は無くなるって事ね?」
先輩が僕の言おうとした事を代弁してくれた。それ以上、二人の会話が続く事がなかった。