domino
 一瞬の間に色々な考えが頭の中を駆け巡った。しかし、何も良い案が浮かばず、ただ返事をするしかなかった。
 「はい。大河内です。」
 「昨日の事だが・・・。」
 そこまで話して、そこからはこちらの答えを待っているようだった。しかし、“スポンサーになれ”と言う用件に対して簡単に返事が出来るはずがなかった。そうかと言って、ここで下手な事を話して機嫌を損ねるわけにはいかなかった。慎重に、慎重に考えた。何も浮かばなかった。額から汗が滲み出てくるだけだった。
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