TEARS【~君色涙~】
1.中学1年
初めての恋
「「好きな人ができたぁ?!」」
4月。穏やかな風の吹く午後の昼下がり。
校内中響き渡りそうな声に、私は「シーっ」と指を立てる。
「二人とも、声が大きい…!」
「ごっ、ごめんごめん。…で、誰なの?その好きな人って」
気を取り直した様子のユカリが、今度は声を潜めて聞いてくる。
私はとっさに辺りを見回したあと、コソ…と耳打ちする。
「…実はその、サッカー部にいる、広瀬先輩…なんだけど」
やっとの思いでそう打ち明けたのもつかの間
互いを見合せた二人の顔はみるみるうちに険しくなり…
「えーーー!?広瀬先輩!?」
「優衣ってば正気? 気は?気は確かなの?」
ユカリはともかく
いつもは冷静なみーちゃんまで私の肩をガクガクと揺らしてくる。
…もう!
さっきから何なの?
こっちは真剣に話してるのに!
4月。穏やかな風の吹く午後の昼下がり。
校内中響き渡りそうな声に、私は「シーっ」と指を立てる。
「二人とも、声が大きい…!」
「ごっ、ごめんごめん。…で、誰なの?その好きな人って」
気を取り直した様子のユカリが、今度は声を潜めて聞いてくる。
私はとっさに辺りを見回したあと、コソ…と耳打ちする。
「…実はその、サッカー部にいる、広瀬先輩…なんだけど」
やっとの思いでそう打ち明けたのもつかの間
互いを見合せた二人の顔はみるみるうちに険しくなり…
「えーーー!?広瀬先輩!?」
「優衣ってば正気? 気は?気は確かなの?」
ユカリはともかく
いつもは冷静なみーちゃんまで私の肩をガクガクと揺らしてくる。
…もう!
さっきから何なの?
こっちは真剣に話してるのに!