TEARS【~君色涙~】
『いいけど、その代わり俺もついて行く』


思ってもみなかった隼人からの返信に、しばらく開いた口が塞がらなかった。


え?

…は、隼人も一緒に?

なんで?


これはどういう意味なのかとっさに理解できずにいると

私の返信を待たずして、再び隼人からラインが届いた。



『またもし先輩のことで栗原が泣いたりでもしたら、ほっとけねーから』



…なんでだろう。

隼人にそういうことを言われると、胸が苦しくなる。



『うん。でも渡すときだけは私一人で行かせてほしい』

『わかった』

『ありがとう、隼人』



ほんと隼人ってばお人好しで、ばか。

こんな時まで私のこと心配してくれなくていいのに。

でも大丈夫だよ隼人。


もう泣かない。


例えフラれてしまっても。
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