TEARS【~君色涙~】
きたる2月14日、日曜日。
早朝に目を覚ました私は早速冷凍庫からチョコを取り出すと
温めた包丁で一口サイズに切り分け、上からココアをまぶしていく。
それを小さな箱に詰め、回りをリボンで巻いてそれらしくラッピング。
優太とお父さんの分は冷蔵庫に戻しておくとして…
(あ、いけない。 もうこんな時間)
色々と不慣れなことをしたせいか
思った以上に手間取ってしまい、気づいたらもうお昼過ぎ。
慌ててペンを置いた私は、机の椅子から立ちあがる。
何度も鏡で服装や髪型を念入りにチェックしたあと、
先輩へのプレゼントを入れた紙袋を手に、家をあとにする。
…紙袋の中には、小さな便箋に閉まった…メッセージカードも添えて。