TEARS【~君色涙~】
教えてもらった住所を頼りに先輩の家の近くまで歩いてくると、
隼人にはすぐ側にある公園の椅子に座って待っててもらうことにした。
「ごめんね。寒い中こんな所で待たせて」
「いや、良いよ。元々ついて行くって言ったのは俺なんだし」
「……」
「それ、先輩に渡せるといいな」
「……うん」
頷きながらも隠しきれない緊張のせいか
どうしても不安げな表情を浮かべてしまう私に、隼人が突然向こうを指差す。
「お、あそこに見えんの広瀬先輩」
「え!?」
ザッ!と急いで後ろを振り向くと
そこには犬の散歩をした見知らぬ人がただノホホンと歩いているだけだった。
「うっそ~」
「~~~!」
思わず今日は蹴りどころか
持っていた紙袋ごと隼人に投げつけそうになったものの
せっかく作った先輩へのチョコが悲惨なことになってしまうので、そこは何とか思い踏みとどまった。
「元気出たか?」
「!」
「いつもの栗原らしく行けば何とかなる」
隼人の言葉に、また泣いてしまいそうになった。
その思いをグッとこらえて、大きく頷きかえす。
ありがとう隼人。
私、頑張ってくる。
隼人にはすぐ側にある公園の椅子に座って待っててもらうことにした。
「ごめんね。寒い中こんな所で待たせて」
「いや、良いよ。元々ついて行くって言ったのは俺なんだし」
「……」
「それ、先輩に渡せるといいな」
「……うん」
頷きながらも隠しきれない緊張のせいか
どうしても不安げな表情を浮かべてしまう私に、隼人が突然向こうを指差す。
「お、あそこに見えんの広瀬先輩」
「え!?」
ザッ!と急いで後ろを振り向くと
そこには犬の散歩をした見知らぬ人がただノホホンと歩いているだけだった。
「うっそ~」
「~~~!」
思わず今日は蹴りどころか
持っていた紙袋ごと隼人に投げつけそうになったものの
せっかく作った先輩へのチョコが悲惨なことになってしまうので、そこは何とか思い踏みとどまった。
「元気出たか?」
「!」
「いつもの栗原らしく行けば何とかなる」
隼人の言葉に、また泣いてしまいそうになった。
その思いをグッとこらえて、大きく頷きかえす。
ありがとう隼人。
私、頑張ってくる。