TEARS【~君色涙~】
「――お、栗原。戻ってきた」
トボトボとした足取りながらも再び公園へと戻ってきた私に、
一人ベンチに腰かけたままスマホを眺めていた様子の隼人がこちらに気がついた。
でもこの時……
先輩に渡す予定だった紙袋を未だ手にぶら下げたままの私を見て、ガタッと隼人が立ち上がる。
「栗原、何で…」
「……」
一体何があったのかと
明らか心配した様子で近寄ってきた隼人を前に、俯きがちだった顔をあげた私はとっさに笑ってみせる。
「…ごめん、渡せなかった」
「渡せなかった?何で、先輩には会えたのか?」
隼人の言葉に、私はただ首を横に動かす。
「なんか、留守だったみたい…」
「留守だったみたいって…それでもポストに入れて置くくらいは出来ただろ?何でわざわざ持って帰ってきたんだよ?」
「うん、そうなんだけど…」
「栗原…?」
「だけど……」
なんとかして隼人に説明しようとするものの…声が喉に引っ掛かって、言葉につまってしまう。
しばらくそのまま黙りこんでいると
突然目の奥がジワッと熱くなって…私はとっさに隼人にしがみついた。
トボトボとした足取りながらも再び公園へと戻ってきた私に、
一人ベンチに腰かけたままスマホを眺めていた様子の隼人がこちらに気がついた。
でもこの時……
先輩に渡す予定だった紙袋を未だ手にぶら下げたままの私を見て、ガタッと隼人が立ち上がる。
「栗原、何で…」
「……」
一体何があったのかと
明らか心配した様子で近寄ってきた隼人を前に、俯きがちだった顔をあげた私はとっさに笑ってみせる。
「…ごめん、渡せなかった」
「渡せなかった?何で、先輩には会えたのか?」
隼人の言葉に、私はただ首を横に動かす。
「なんか、留守だったみたい…」
「留守だったみたいって…それでもポストに入れて置くくらいは出来ただろ?何でわざわざ持って帰ってきたんだよ?」
「うん、そうなんだけど…」
「栗原…?」
「だけど……」
なんとかして隼人に説明しようとするものの…声が喉に引っ掛かって、言葉につまってしまう。
しばらくそのまま黙りこんでいると
突然目の奥がジワッと熱くなって…私はとっさに隼人にしがみついた。