TEARS【~君色涙~】
空も次第に薄暗くなり、今日も隼人は私を家の前まで送ってくれた。


「テスト前なのに、今日はついてきてくれてありがとう」

「俺の方こそ、チョコありがとな。残りは家戻ってから食べる」


隼人の言葉に、私は笑って頷き返す。

すると隼人はどこか少し照れくさそうに頭をかいたんだ。


「…バレンタインのお返し、何がいい?」

「えっ!?いいよ別に。お礼が言いたくて渡したんだし。てか隼人にそんなお金あるの?」

「あのなぁ、栗原まで俺のことバカにして…」

「……」

「確か引き出しに今年のお年玉があったような…」

いや、タンスだっけ?


と、一人で言い始めた隼人に思わずプッと噴き出してしまった。

そんな私を見て、隼人がボソリとさりげなく呟く。
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