TEARS【~君色涙~】
夏休み……


『大会は夏休み後半まであるけど、さすがに練習も毎日ではないだろうからさ。時間作れば会えっかと思う』


隼人の言葉に慌てて手帳のカレンダーをめくると、明日からはもう6月。

夏休みまであと約1ヶ月半…


『うん、わかった。夏休み、海とかプールとか…、あとお祭りにだって行きたい!』


夏休みなら、少しは隼人を独り占めできる。

そう思ったら今年の夏、二人で一緒に行きたいところが次から次へと浮かんできて。


ひとり期待を膨らませる私に、隼人は電話越しに『はは、行こう行こう』と言って笑ってくれた。


『約束だよ』

『うん、約束』


お互い電話だったので直接、指切りは出来なかったけれど、代わりに私たちは口約束を交わしたんだ。

心がほくほくとした気持ちで、私は隼人の名前を呼ぶ。


『…ねぇ隼人』

『ん?』

『私、隼人がす…好きだよ』

『……』


キャっ!

思わず言ってしまった。


でも言わずには居られなかった。


好きで好きすぎて……


すっかり恋する乙女(?)状態になってしまっている私に、隼人は茶化すことなくこう言ってくれたんだ。



『俺も。栗原が好きだよ』


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