TEARS【~君色涙~】
思わず目をつむってみたのと同時に、唇にやわらかい感触がした。


優しく押し当てるようなキス。


「……」


家のすぐ目の前で…

家族や他の人に見られたらどうしようって

一瞬そう思ったけど…拒めなかった。



(なんか、こないだと違ってキス長い……)


息が続かなくなりそう。

それでも必死に口をつぐんでいると
背中にまわされていたはずの隼人の手が、なぜか私の腰の辺りの方へと降りてきたんだ。


「っ?」


ふと、その感触に気がついてパチッと目を開けた私に



「…わ、わり」



と、どこか慌てたようにそう言って


隼人が私から手を離した。
< 203 / 440 >

この作品をシェア

pagetop