TEARS【~君色涙~】
それからは毎晩隼人は土日も含め、部活が終わった後はすぐ、私の元に会いに来てくれるようになった。


隼人からの電話後

私の家のすぐ側で夜の7時半頃から会って立ち話をし、9時前にはバイバイする。


それがいつの間にか当たり前になって。


朝会いに来てくれるだけでも十分嬉しいのに
夜は二人きりにもなれて、満足してた。


…なのに、キスだけはなぜかいつもそっけなくて


時間が来てお別れするとき、決まってしてくれる口づけは、どこか他人行儀なような気さえして
正直物足りなさまで感じてしまう。


もう最初にしてくれたようなキスはしてくれないのだろうか。


そんな疑問を抱きながら
毎晩隼人と会う生活が3週間くらい続いたと思う、ある日のことだった。
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