TEARS【~君色涙~】
隼人…?


「優衣は気づいてねーのかもしれないけど、結構人気あるんだからな。男に」

「…え」


――えぇ!?


さっきまで必死に口を閉じて笑おうとしていたのもつかの間

いきなりの爆弾発言に顎が外れかけそうになった。

そんな私を見て、隼人が「やっぱり」といった眼差しを向けてくる。


「え…ほ、ほんとに?でも私告白とか全然されたことない…」

「中2の男なんてそんなもんだよ。それに今は俺と付き合ってるし。だからさっきは知らない高校生が優衣に近づこうとしてんの見て、すげー嫌だった」

「……」

「俺のいないとこで水着になってる優衣も…。勝手なのは分かってっけど、ほんとは誰にも見せたくない」


…知らなかった。

隼人、今までそんなことを思っていたの?


隼人の胸の内をたった今初めて知り、恥ずかしいやら信じられないやらで、とにかくどう反応していいのか分からない。



動揺してか、とっさに視線をずらしかけたとき

そこで偶然目に止まったのは、電柱のポスターに書かれた“夏祭り”の文字……
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