TEARS【~君色涙~】
同時に、この日は進路希望調査表の提出日だった。


みーちゃんは学校の設備や授業のカリキュラムが充実しているという大学附属私立の女子校。

しいてユカリは学校が近いのと制服が可愛いからという理由で近くの都立高校を希望していた。


当の私は、いまだ未提出のまま。

西高等学校…と書きかけてすぐシャーペンで塗りつぶし、消しゴムで押し消した。


あれから一体、自分はどの高校に行きたいのか、そしてどういった未来へと進んでいきたいのか、どうにも思い描けずにいる。


でもそれはきっと他の皆も同じなんじゃないかと思っていたのに…


この中にいる私だけが、中学三年に上がっても自分で自分の将来のことを決められずにいたんだ。
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