TEARS【~君色涙~】
さっき来た道を優太と手を繋ぎながら歩いて戻る。


そして再び学校の前を通りがかったとき
校庭で部活に励む様子の広瀬先輩を見かけ、足が止まった。


「……」

「優衣姉ちゃん?」


不思議そうに私を見上げてくる優太の声も今は耳に届かなくて…
まるで吸い込まれるかのように先輩を目で追う。


しばらく先輩の姿に見入っていると、ふいに視線の先で先輩が立ち止まって、ある方向に目を向けたんだ。
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