TEARS【~君色涙~】
「な、これで答え出るだろ?」

「…ほんとだ」


隼人の教え方が上手いおかげか
答えを知ってしまえば案外その問題は単純なものであることに気づかされる。

難しく考えすぎなのかなぁ…


「ところで優衣は志望校決まったのか?」


うーん、とひたすら問いと解答を見比べていたら隼人に進路のことを聞かれてしまった。

その質問に私は参考書で顔を隠したまま、こう答える。


「実はまだ…決めてない」


あれから自分なりに調べては見たものの、写真や資料を見るだけじゃどうにもそこでの高校生活を想像しずらいっていうか…

ほんとは隼人と同じ高校に行きたいのもあった分、なかなか他の志望校選びに身が入らずにいた。

だからって私の学力じゃ西高なんて絶対無理だし、隼人が藤原さんに言ってた言葉も引っ掛かる。


……自分が本当に行きたい高校、かぁ


まだ6月とはいえ、
他の皆はもうだいたい決まってるし

私もそろそろちゃんと決めないと……


「あれ?そういや隼人、学校見学行くんだっけ?」


グルグルとそんな事を考えていたら男子の一人がふと思い出したように話しかけてきた。

その言葉に私は参考書でひた隠していた目を半分覗かせる。


学校見学?
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